薄桜鬼【雪景色】

山南＋土方。本当は正月なのでフリー配布とかチャレンジしてみたかったのに・・・
これでフリーは自信なさ過ぎる(´Д⊂ｸﾞｽﾝ

※稚拙な表現・時代錯誤な表現等ありましたらごめんなさい。生温く見守ってやって下さい(汗)

「しかし・・・今日は冷えるなぁ。」

「そうですね、火鉢を使っても酒を呑んでも冷えますね。
　・・・あぁ、酒が切れました。ちょっと持ってきましょう。」

「お、すまねぇな山南さん。」

部屋から出た山南は、その景色に暫し声を無くした。

「それにしても近藤さん遅せぇなぁ・・・って、どうした？」

障子を開けたまま微動だにしない山南を訝しげに見つめ、立ち上がって背後から外を覗き込む。

「・・・あぁ、寒いと思ったら。」

庭に降り積もっているのは白い雪。昨今では珍しい量の雪だ。
ふと、障子の外へ一歩踏み出したかと思うとそのまま草履を履いて庭へ出た。

「おい、流石に濡れちまうぞ？」

少し酔いが回っているのか、土方の忠告を無視して雪の振り注ぐ夜空を見上げ続ける。
雪は五寸ほどに降り積もり、庭の景色は様変わりしている。
周囲を見回している土方の視界の端に何かが動く。

「？・・・っおい！！」

雪の中へ背中から倒れこんだ山南に驚き、咄嗟に外へ出てしまったのだ。
倒れた当人は雪に埋もれながらクスクスと笑っている。

「チッ・・・何笑ってんだ。」

「あぁ、申し訳ありません（ｸｽｸｽ）　貴方も雪まみれですね。」

「誰のせいだと思ってんだ。・・・ったく、酔い醒めちまったじゃねえか。」

「また呑み直せば良いのでは？」

「その前に風呂にでも入らなけりゃ風邪どころじゃ・・・」

真っ白い雪の中、目を閉じ僅かに微笑みさえ浮かべる様が・・・余りにも清冽で。

身体はどんどん熱を奪われていくのに、目の前の山南から目が離せず・・・ドクンと鼓動が音をたてる。

聞こえるのは雪の降り積もる微かな音と、うるさい程に聞こえる自分の鼓動。

「・・・どうか、しましたか？」

「あ、いや・・・。」

一瞬、この鼓動が聞こえてしまっているのかと思った。
立ち上がり雪を払うと、やはりところどころ濡れてしまっている。

「山南さん、そろそろ部屋に戻ろうぜ。流石にこのままじゃ風邪を引く。」

すっと差し伸べた手を山南が見つめる。

「・・・どうした？」

何も言わず手を重ねてくる。驚くほど指先が冷たかった。
思い切り引き上げた勢いでふらついた山南を土方が抱きとめる。

「っと！大丈夫か？・・・って、あ～あ、やっぱりこんなに濡れちまって・・・」

珍しくされるがままの山南に、具合でも悪いのかと聞こうとする前に・・・土方の頬に何かが触れた。

「・・っ！」

「暖かい・・・」

山南の頬が触れただけだというのに、身体がこんなにも熱い。
冷えてしまった山南の身体が熱を求めて擦り寄ってくる。
そのまま身体を預けてきたのに驚き、慌てて抱き上げ部屋へ連れ戻る。

「大丈夫か？」

「・・・このまま部屋に戻るのが面倒だったので。ありがとうございます（ﾆｯｺﾘ）」

”・・・やられた・・・”

やや項垂れながら火箸で炭をつつく。

「流石に、濡れてしまいましたね。」

「当たり前だろう、何を思っていきなり・・・」

「私の故郷は、雪深い場所でした。積もった雪を見て少しだけ・・・懐かしく思えたんです。」

そう言って立ち上がると、手ぬぐいをもって土方の背後へ回る。

「・・・付き合わせてしまって申し訳ない。」

「いや、俺が勝手に飛び出したんだ。偶には童心に返るのも悪くない。」

山南の指が髪を滑る。どうやら露を払ってくれているらしい。

「いいぜ、どうせ風呂にでも入る予定だったんだ。このまま風呂へ行けば問題ない。」

「・・・そうですね。」

 

--風呂場にて--

「俺が背中流してやろうか？・・・いや、俺の力じゃ傷つけなねねぇな・・・」

「女人ではないんですから大丈夫ですよ。」

「い～や、山南さんは折角綺麗な肌してんだ。そんなことで傷つけるのは不本意だ。」

「・・・その言葉は、女人へ言ってあげるべきだと思いますがね。」

「山南さん、姉か妹は居ないのか？」

「？居ませんが。」

「惜しいな。どちらか嫁に欲しかったところだ。」

「・・・同じモノがついてても良いのでしたらどうぞ。」

「・・・・・・貰ってもいいのか？」

「・・・落とせるものならば。」




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【あとがき】
え～っと・・・もっと色っぽい雰囲気を出したかったのですが・・・(汗)
ネタ降りて来い！(;＞_＜;)