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山南+土方。シリアス切なめです。
羅刹化後の山南さんと土方さん・・・て、自分本当にこのペア好きだなぁ。
BLじゃなくても2人一緒が何故か好きです。・・・ひょっとして異色?
いや!2歳差ですよ!(笑)山南さん年上~♪(←残業続きで壊れ気味

※稚拙な表現・時代錯誤な表現等ありましたらごめんなさい。生温く見守ってやって下さい(汗)

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「どうしたんですか?土方さん、こんな時間に。」

闇に紛れるように庭に立つ姿を見つけ、声をかけようか思案していると突然響いた優しい声色。

「・・・山南さんこそ、そんな場所でどうしたんだ?」

「・・・これは異な事を。今は我々"羅刹"の最も活動する刻限です。私だけでなく他の羅刹隊士達も同様ですが。」

声色は以前と変わらず優しいはずなのに、示す内容は現実を教える。

「知ってる。その隊士達は?」

「今夜は平助君が率いて巡回に出ています。」

「山南さん、一人か。」

「・・・ええ。」

「・・・邪魔したか?」

ふっと微かに空気が揺らぎ、山南が振り返る。
暫く俺を見つめ、表情を変えぬまま一言。

「どうぞ。」

自室の障子は開け放したまま山南が茶を入れる。
受け取って一口啜ると身体に一筋熱が通る。
以前と変わらない山南の茶の味。これは昔から"好きだ"と言って買い続けている種類の茶だった。
しかし今、目の前に居るのは・・・
昼は死んだ者として身を隠し、夜は"羅刹"として以前より怜悧な光を宿した者。
先程から山南の視界には俺が居ない。
開け放たれた障子から見える宵闇の庭をずっと見つめている。

「・・・何か、見えるか?」

「・・・ええ、羅刹となり死んでいった隊士達が。」

「山南さん・・・今は、生きている"俺"を見ろ。」

「相変わらずですね。」

そう言って視線を俺に合わせると微かに微笑んだ。
大阪で深手を負ってしまった山南は"変若水"で羅刹となり・・・

「山南さんも、何も変わっちゃいねえよ。」

「・・・本日は何か?」

「・・・あぁ。最近"辻斬り"が多くてな。しかも随分と残忍な有様だそうだ。
 羅刹隊に前例がある、そうだとは言い切れないが気をつけてくれ」

「そうですか・・・変わった事があったら知らせましょう。」

「ああ、宜しく頼む。」

用は済んだ、そのまま立ち去れば良いのだが・・・
一人次の言葉を捜していると、クスクスと笑う声が聞こえた。

「何か言いたそうですね?その後ろに隠しているものですか?」

「・・・くっ。やっぱり山南さんに隠し事は無理だな。」

背後から俺が出したのは酒瓶。

「眠れねぇんだ。久々に付き合ってくれ。」

それから無言で杯に酒を注ぎ、山南へ差し出した。
それをやはり無言で受け取ると目を細め杯を見つめる。

「・・・無理に呑まなくても、そこに居てくれればいい。」

一瞬眼差しに憂いがあったが、一息に杯を空けた。

「以前の様に・・・酔えなくなってしまいました。」

一緒に酒を呑んだのはいつだったか・・・そう昔ではないはずなのに、酷く昔の話に思える。
山南の杯に酒を注ぐと自分も酒を煽る。

「じゃあ、俺が潰れたら介抱して貰えるんだな。」

 

その後も何を話す訳でもなく、ただ静かに庭の闇を見ながら酒を呑んだ。

 

「・・・眠ぃ。」

「それはそうでしょう、もう東の空が白んできました。」

半ば呆れた声とも溜息とも付かぬ声が漏れる。
土方は眉間に皺を寄せ、眠気を我慢しているようだ。

「折角眠れるというのに、何故我慢を?」

「・・・折角の逢瀬だ、そんな勿体無いこと出来るか。」

思わず噴出してしまった。

「そうですね、それでも織姫と彦星よりは・・・」

そう言いかけて、止めた。
既に天の川のような綺麗なものではなく、黒く渦巻く血が隔てているのだ。

「・・・やっぱり少し寝る。山南さん、膝貸してくれ。」

「は?膝?・・っ!」

突然土方の身体が傾いできて咄嗟に身体を引くと、それを許さないとばかりに膝の上に頭を乗せて両腕をがっちりと腰にまわされた。

「土方さん!?」

「・・・あぁ、やっぱり落ち着くな。山南さんの香りだ・・・」

「・・・」

「羅刹になっちまって、もし我を忘れたなら・・・俺が止めてやる。
 血を欲するなら、俺が差し出そう。」

「・・・っ!」

「だから・・・消え、る・・な・・・」


頬に伝った一筋。
もう不要だと捨てた感情。
貴方は何故、そうも簡単に私へ踏み込んでくるのか。
既に羅刹となった自分は、何時発作が起きて血を求めるのか、その時に正気でいられるのかさえ分からないというのに・・・
何故私の側で、こうも穏やかな顔で眠りにつけるのか。

土方の髪を梳くと、まわされた腕に静かに力がこもる。
そのまま髪を梳き続け、寝息が確かなものになるまで・・・見守り続けた。

この信頼には応えよう。
自分が添える最後の時まで。

 


鳥の鳴き声に、ふと目を開けた。
最初に映し出したのは山南の微笑み。

「・・・おはようございます。少しは眠れましたか?」

「あ~・・・久々に深く寝入ったようだ。・・・って!
 すまん山南さん!ひょっとしてずっと・・・」

「あぁ、大丈夫ですよ。ほんの数刻でしたから。」

昨晩よりも感情のある微笑みにほっとしたが、目が赤い。

「・・・泣いた、か?」

そっと頬を指でなぞると「いいえ?」と返事が返って来る。

「私もそろそろ就寝の時刻ですから、きっとそのせいでしょう。」

「あぁ、そうだな。じゃあ今度は山南さん、俺の膝使ってくれ。」

「・・・はい?」

「せめて山南さんが寝入るまでは居るから安心してくれ。」

「いえ、そうでは無くて・・・うわっ!」

背後から肩を引いて後ろで抱きとめて太腿へ頭を乗せる。

「流石に山南さんみたいに正座はキツいんでな。胡坐だが勘弁してくれ。」

「・・・相変わらず、強引ですね。 では折角ですから暫く膝をお借りします。」

いつもの眼鏡を外し端へ置く。そのまますぅっと微かな寝息が聞こえてきた。

「・・・山南さん、 また 来てもいい か?」

答えが無いのは分かっている、それでも・・・


サラサラと指の間から零れ落ちる髪に口付けを落とした。

 




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【あとがき】
山南さん羅刹化後の土方+山南・・・いや、土方×山南?
シリアスで若干切なめ目指しましたが・・・どうなんだろう(汗)

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